白根ひなみ :
今日も、よろしくおねがいします。
すい:
はい、よろしくおねがいします!
白根ひなみ :
前回のインタビューでは、現在のALTEAについて聞いたのですが、本日は、今後、どのように進化していくのか、より深く追求して行ければと思います。
そういうわけで、今後、ALTEAはどういう進化を遂げようとしているのか、改めてお伺いしていきたいと思います。いきなりなんですが、何を成し遂げようとしているんでしょうか?
すい :
そうですね。最終的に僕たちが目指すのは、すべての人に起業スキルを提供でき、さらに誰もが起業家になれる場所を作っていくことです。それを実現するためには「村政の電子化」と「村のフランチャイズ化」が必要ということなんですが・・・唐突ですよね。
白根ひなみ :
唐突ですね。。笑 順番に説明して頂いてもよいですか?
すい :
はい。今のALTEAは起業・複業を習得、実践できるプラットフォームです。最終的に、誰もが起業できる場所、全ての人に起業スキルを提供できる場所、を目指していきたいのですが、じゃあ、それってどうやったら実現できるの? って考えてみます。
まず、今のALTEAでインプットと自発的なアウトプットは可能です。しかし、もっと成功率やモチベーションの維持をしていくために必要なのは、コミュニティだと思ってまして。人と人がつながって、刺激しあうからこそ、モチベーションが維持できたり、多様性の中で様々な考え方が入り混じって、面白いアイディアに変化したりします。前回のインタビューの時も、コミュニティを強化していくとお話させて頂いたんですけども。そして、こうしたコミュニティがさらに進化すると、コミュニティというより、地域の文化になってくるんですよ。
参照 : 9割の人が勘違い? 社会に必要な「多様性」の意味とは。
白根ひなみ:
地域の文化もまたコミュニティの1つですよね、確かに。
すい :
近しいものかなと。なお、今、地域単位で起業の活性化が進んでいるといえば、シリコンバレーです。入り乱れる多様性の中で、互いの考え方を否定せず、受け入れあう風潮。そして、お互いの思考を組み合わせ、高めあってイノベーションを起こしていく在り方。そんな新しい発明を、実績問わず良ければ受け入れ使っていく、新しいものが浸透しやすい体制。そうした地域は、言ってみれば同じ文化を宿したコミュニティとも言えると考えているんです。
で、僕たちが考えるのは、そうした地域が「各都道府県に1つずつでも存在したらいいんじゃないか」ということです。今、日本版シリコンバレーを作ろう!となると、東京付近に集中していくと思うのですが、それだと、東京に来れる人しか、地域のメリットを享受することが出来ない。結果、来れる人と来れない人の差で、大きく格差が生まれてしまう。だからこそ、日本全国、いや、世界中の至るところにシリコンバレーのような文化を持つ場所を、作り出していけたらいいなと。でも、一気に実際の地域として定着させるには、膨大な時間がかかってしまいますよね。
白根ひなみ:
なるほど。だから、コミュニティを立ち上げて行こう、ということでしょうか? シリコンバレーのような多様性のある文化を、まずはコミュニティから実現し、どこにでも作り出せるようにしていくと。ある一定の文化や在り方を持ったコミュニティとは、そうした地域文化の縮小版と言えるかもしれませんね。
すい :
シリコンバレーそのものをコミュニティだけで実現できるとは思いませんが、考え方としては似ています。実際、日本版のシリコンバレーを作ろう!と挑戦されている人たちはたくさんいます。でも、いきなりやろうとすると、難しいと思うんです。なぜなら、そこには文化が必要だから。シリコンバレーを模倣するのと、その精神性を村全体が理解していることは、小さな差に見えますが、最も大きな差なんです。
たくさんの人が言っているようにシリコンバレーは、地域そのものではなく、魂の在り方です。それを、例えば既存の村社会の中に作っていこうと言ったって、受け入れられるまでには相当の時間もかかります。なにより、新しいものを受け入れずらいのが、今の日本における村社会の在り方ですし。
白根ひなみ :
村社会が閉鎖的なのは、確かに良く話されていることですね。村というより、地域でしょうか。新しいものを受け入れる派と、今までのままで良い派にわかれて、いつもせめぎ合っているような。
すい :
僕も地方でプロジェクトやったりして、閉鎖感は感じてました。でも閉鎖的な気持ちも分かるんですよ。いきなりオープンにしていこうぜ!って話たところで、簡単には受け入れられない気持ちもある。僕も地方出身で、いきなり地元の風景が変わったら、寂しくもなりますし。「商店街の売上はどうなる?」「 逆に地域経済を潰してしまうんじゃないか?」って。ただ、永遠と変わらなければ、周りが進化していくので、現状維持さえ難しくなるのは当然です。うまいこと調和をとっていく必要がある。
そうなった時、どうするかと言えば、地域の人たちの抱えている問題も、同時に解決できるような形である必要があるかなと。例えば、僕たちが目をつけているのは「空き家」や「空き山」といった問題。僕の実家もそうなんですが、地方の人たちって使えない土地が膨大にあって困ってるんですよね。そういった、地域にとってなんとかしたい問題を同時に解決できればいいなと。不要な場所、なんとかして欲しい場所に、僕たちがシリコンバレーのような文化を持つ小さな村を作れたらいいんじゃないかと。
白根ひなみ :
なるほど、そういった場所を活用してコミュニティを運営していければ、地域としても嬉しい。
すい:
はい。しかも、そうした場所が経済を回す大きな力になれば、なお嬉しい。僕らがやりたいことって、そうした場所を片っ端から小さな起業家の村にしてしまうことなんです。コンテナハウスやミニハウスを片っ端から立てて、小規模な経済圏を作り出す。その村で生活に必要なものは全て買える。しかも、起業家村なので、新しい事業も生まれていくでしょう。
もちろん、新しく生まれた事業のプロダクトやサービスは、全部村の中で買える。新しい挑戦は、もちろん地元発信の新しい事業を生み出していくでしょうし、自分の村から生まれた事業ということで、地域の人たちも後押ししやすい。地元に新たな産業ができることは、歓迎する人も多いんです。彼らが嫌なのは、むやみに大手企業がコミュニティの中に参入し、もとの文化を食いつぶして行くことへの不安もあります。それが、地元に逆にお金を引き込むものであれば、好意的に受け取ってくれる機会は多いそうです。
白根ひなみ :
へえ、楽しそうな村ですね。
すい :
そう思っていただけると嬉しいです。笑 ちなみに村のイメージとしては、宮崎県に「青島ビーチパーク」という場所があるんですよ。夏だけ運営してるらしいのですが、そこがコンテナハウスをすごく良く活用してオシャレな雰囲気を出していて。
(写真を見せながら) こんな雰囲気で起業家したい人やハッカー、デザイナー、音楽家なんて、多種多様なバックグラウンドを持つ人が集まって、みんなで色々作ってるってクールじゃないですか?
白根ひなみ :
わあ、素敵ですね。これは遊びに行きたい、というか住みたい。
すい :
僕もです。笑 とにかく、どんどん新しい事業を作り、地域を活性化させていく事業を作り出していけるような場所が1箇所でもあれば、地域にある問題って、ほとんど解決してしまうはずです。だって、事業を作り出すことの根本って、それこそ、問題解決なわけで。
資金を稼ぎたければ、村の中で提供されている事業でバイトして資金を稼げることもあるでしょう。外から仕事を引っ張ってくる代理店的機能も同時に作ろうと思っていて、実際今、ウェブ中心の制作チームも立ち上げました。そちらはそちらで、売上が立っていて。もっと体制が整ってくれば、外部から仕事も提供できるはずです。
白根ひなみ:
おお、すでに。でも、最終目標は、この村を各都道府県というか、どこにでも作れるようにすることですよね? 一箇所作るとして、その後はどうやって広げていきますか?
すい :
はい、そこでフランチャイズが出てくるわけです。今、コミュニティづくりの活動をはじめましたが、まず、こうした活動を色々な場所で展開できるようにします。その間に村の計画を進めて、事例を作る。次に、村を運営したノウハウやインフラを全部パッケージにして「村化」したいコミュニティを募集します。すでに、起業を盛り上げる活動をコミュニティがしているとすれば、そのまま村にするだけです。
空いた山や地域、空き家を使って、村のインフラを一式用意し、提供する。もしそれまでに、1つの村から事業が生まれ、地域経済にプラスになるような事例が生まれていれば、さらに村をつくりやすくなっていくのではないでしょうか。ちなみに村の中では、どの村でもコンビニのように全て同じサービスを受けられるようにします。多少、地域の特性はありますが、村で生まれたサービスはリアルタイムで伝わり、実生活に適応できるようになりますし、もちろんリリース前のプロトタイプも、村の中にいれば、誰もが試せるようになるでしょう。新しいサービスを作るからと言って、試してくれる企業を探す必要もありません。
白根ひなみ :
なるほど。ただ、全ての村を管理していくのは大変そうですね。ウェブ上かどこかに、プロトタイプや村同士をつなぐようなプラットフォームがあるということでしょうか。
すい:
そうですね。電子村政システムと呼んでいて、こちらも開発中です。ウェブやアプリで開いて使うイメージですね。そこで、どこに村があるのか、どんな事業が動いているのか、何がプロトタイプとして使えるのか、そういった情報が全てわかります。
なお、プロトタイプも出来つつあります。このシステムには村をつくりたいという人が申請もできるので、将来的には「誰もが簡単にボタン1つで村を作れてしまうシステム」になるのではと想定しています。これが上手く機能すれば、今地方にある問題を片っ端から解決できるインフラができるんじゃないかなと。こうした全ての計画を含めてALTEAなんです。起業をアクセラレートするネットワークということで、アクセラレーション・マトリックスと呼んでいます。必殺技の名前みたいだねとか言われますけど。笑
ただ、そのためにも、現在のALTEAが重要です。今、提供させて頂いているALTEAは、全ての基盤となるものです。まず、今の日本において、もっとまともな情報を手に取りやすくする。そして、誰もが気軽に、自発的に起業に挑戦しやすくする。その上で、村を作ることで、全ての人が起業スキルを得られる世界が実現できると考えています。だって、村やコミュニティを作っても、その価値を伝えられなかったり、たまたま運良く見つけた人だけが来れるのであれば、既存のシステムと代わりありませんから。
白根ひなみ :
確かにそうですね。前回のインタビューでは、シリコンバレーで教えられているような知識も経験も、深く掘らないと日本では出てこない、という話をされていました。実際学べる場所はあるのに、そこにたどり着く、価値が理解できるまでに時間がかかると。ALTEAのようなプラットフォームが身近になければ、結局村も一部の人だけのものになってしまいそうですね。
すい:
はい、それに、村が出来た後でもALTEAは進化し、使われます。皆の起業の進捗や習得・実践データをもとに、適切なアドバイスを提供したり、必要な人材やツールを提供してくれたり。言ってみれば、起業・複業における、秘書やコンサルタントのようなイメージです。昔「東のエデン」ってアニメがありまして。見た人は分かると思うんですが、あれに出てくるジュイスのような。笑 知識を与えてくれて、起業をサポートし、実現を支援していく。そんなツールとしてALTEAは進化していきます。もちろん、今、使ってもらえている方は、そうした機能が追加されたとしても、ずっと360円で使えるのでお得です。笑
白根ひなみ:
なるほど、しれっと宣伝いれましたね。笑 そして、東のエデンも今度見てみますね。笑 それにしても、話がだいぶ壮大になりますね。改めて、村について聞かせてください。村の機能と一言で言っても色々ありますが、どこまで機能を持たせるのでしょうか?
すい:
そうですね、何が事業として生まれるかもありますが(リアルタイムで様々な事業が使えるようになるので)、学校や銀行・・・ベンチャーキャピタルに近いですかね? そういったことは考えています。人材がその村で育ち、資金調達までできるような。そんなエコシステムを作れたらいいかなと。
別にこれは日本に限ったことではなく、世界中に同じような仕組みで村が作っていきたいです。村って場所じゃなくて、一種の概念だと思うんです。同じ文化を持った。そのために、今は海外にも足を運び、下調べもしています。日本から出て、海外でも、もちろん日本の村同様にプロトタイプも即使えるだけでなく、同じ環境やサービスが使えることになります。仮想通貨を使えば、同じ物価で商品が買えるようになるかもしれませんね。
白根ひなみ :
お金の形も変わってきましたしね。最後の質問になりますが、実際に今、全体のプロジェクトの何%くらい、実現しつつありますか?
すい :
まだまだこれからと言ったところですが、15%程度でしょうか。まず、現在のALTEAを通じて、起業したい人が学び、実行しやすい体制を作っていきます。もっと起業を身近で手軽なものにすることが、現在のALTEAが実現すべきことです。同時にコミュティ化を進め、ALTEAの中からコミュニティを生んで行きます。そうした活動を起点に、村へ踏み進めて行ければいいなと。賛同してくれたみんなで、一緒にプロジェクトを作っていけるのが理想だなあって考えてます。
ALTEAに参加して頂けるみなさんとは、ぜひチームでお会いできる機会を作りながら、一緒に進化していけたら嬉しいです。村が立ち上がるところまで行ったら、みんなでお祝いパーティーとかできるような環境にしていきたいですね。いや、もちろん起業の習得スタイルは個人によるので、別に強制するとかではまったくなくて。気が向いた時に、一緒に楽しめる場を提供していけたらと。今からの流れはイメージできているので、必要なことを、どんどん進めていくだけです。もっともっと、起業を身近に、楽しんで、ワクワクしながら挑戦していけるものにできればと。僕自身、とてもワクワクしています。
白根ひなみ:
なるほど、楽しみですね。今日はありがとうございました!